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No.64
12月に出すパズディン本ガバ導入になった
催淫をよくわかってないふたり。無知であれ……
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大勢の見張りもボディーガードも打ちのめされ、追い詰められた賞金首であるスパイスの密売人の悪足掻きは、脅しでもなく、発砲でもなく、ディンに大量のスパイスを浴びせることだった。獣はどんなに弱くても窮地に追いやられれば牙を剥くが、予想外の抵抗だった。立ち込める粉塵で霞む視界の中で、ディンは粉末を思い切り吸い込んでしまって噎せたが、いたって冷静に丸腰の密売人を捕縛し、自身のガンシップまで歩かせた。
飛び立つ前に、「サイイン効果があるスパイスをあれだけ浴びてなんともないのかよ。嘘だろ? マンドーはインポか?」と意味の解らないことを言われたが、ディンは相手にしなかった。そのあと密売人が逃げ出そうと暴れたので、他の賞金首同様、炭素(カーボン)冷凍(フリーズ)した。
仕事を終えて、『ネヴァロ』に着くまで、ディンはコックピットで一眠りした。時間が経つにつれ、スパイスを吸い込んだせいか、不調を感じていた。まるで思考することを脳が拒否しているように、意識がぼうっとする。身体も火照っている。これが、密売人のいっていたサイイン効果だろうか。だとしたら、一時的な症状であっても厄介だ。仕事は終わったので戦闘を行うことはないだろうが、動作が遅れたり、判断を誤る可能性もある。一瞬の隙が命取りになりかねない……。
気を揉んでいたが、無事に『ネヴァロ』に着いた。炭素(カーボン)冷凍(フリーズ)した賞金首たちをギルドに引き渡し、賞金稼ぎたちを束ねるグリーフ・カルガから報酬をもらい、ディンはそのままネヴァロ・シティの地下にある下水道に向かった。
ここには、ディンの同胞たちがひっそりと暮らしている。帝国軍によって汚染された故郷である衛星『コンコーディア』を脱してから、マンダロリアンたちは人目を避けることを強いられるようになった。帝国軍は、マンダロリアンたちを滅ぼそうとしているのだ。身を隠すようになっても、彼らは誇り高く生きている。
孤児だったディンは独り立ちをして共同体を去ったが、ディンにとって共同体のマンダロリアンたちは大切な仲間だった。賞金稼ぎとなって銀河を巡るようになってからは、孤児たちを養うために施しをしている。ひとりのマンダロリアンとして、その責任があるのだ。
鍛冶場(グレート・フォージ)にいるアーマラーに受け取ったばかりの賞金の一部を提供して、仲間の元で少し休むことにした。夜も遅い。体調も悪いし、久し振りに会いたい男もいる……。
歩く度に、ベルトの締め付けが気になった。それに、フライトスーツの生地が肌に触れる度に、やけにくすぐったく感じる。
――ベルトをキツく締めてはいないんだが。体調が悪いせいか?
ディンは顔を顰めて、燈の欠けた通路で立ち止まったが、すぐに歩き出した。目当ての男に会うべく、居住スペースに向かう。彼個人のスペースは、仲間の居住スペースから少しばかり離れた場所にある。狭い通路を進み、いくつも角を折れ、拓けた場所に出て、ようやくその姿を見付けた。
会いたかった男――パズ・ヴィズラは、椅子代わりのコンテナに腰掛けて、アーマーの手入れをしていた。胸当て(ブレストプレート)も、肩(ポール)甲(・ドロン)も、手甲(ガントレット)も、膝(ボウ レ)当て(イン)も、脛(グリ)当(ーブ)ても、ベルトさえも外している。フライトスーツとクロッチガードだけいう無防備な姿に、ディンは思わず声を掛けることを忘れた。
「戻ったのか」
ベスカー製のヘルメットにも使える特殊な黒い研磨布で胸当て(ブレストプレート)を拭きながら、ヴィズラが一刹那顔を上げた。ディンは彼の傍に寄り、テーブルを挟んだ向かいにあるコンテナに腰掛けた。
ヴィズラが傍にいるという安心感からか、肩の力が抜け、身体を蝕んでいる不調が血の流れにのって全身に広がった。視界がぐらりと揺れる。
「お前のベッドで少し休ませてくれないか」
「俺ももう寝るところなんだが」
「具合が悪いんだ」
ヴィズラが手を止めてディンを見た。
「なら、休め」
彼はそれだけいって、再びアーマーを磨き出した。
ディンは居住スペースの端に置かれたテント型のコフィン・ベッドに入り、フロントパネルを下ろした。それからマントを外した。それでも息苦しさに耐えられず、胸当て(ブレストプレート)を外し、フラックベストも脱いだ。
敷かれた薄いマットレスに横になって目を閉じるが、腰回りが重たいことに気付いて、ディンは歯を食い縛って顎を硬くさせた。こんな時にセックスがしたくなるなんて……。
起き上がって、ディンはフロントパネルを開けて顔だけ出して、黙々とアーマーを磨くヴィズラの背中を見詰めた。この間も、下腹部がじくじくと疼いている。
「パズ」
「どうした」
「こっちにきてくれ」
「今手が離せない。あとにしろ」
「だめだ、今すぐにきてくれ」
ヴィズラはのろのろと首を巡らせた。
「そんなに具合が悪いのか?」
ディンは黙った。彼は鼻息をついて傍らのテーブルに胸当て(ブレストプレート)と研磨布を置いて、「子供じゃあるまいし」とごちて立ち上がって、コフィン・ベッドの方へ歩み寄ってきた。コフィン・ベッドの中は、体格のいい男がふたりが入ってもまだ余裕があった。
「大丈夫か?」
「……っ、さっき仕事で、スパイスをヘルメットに吹きかけられた」
衝動のままに、ディンはヴィズラの首元を引っ掴んで引き寄せて、鋼鉄の口付けをした。しゃがみこんでいたヴィズラは、体勢を崩して片手を突いた。
「……パズッ……」
距離が詰まって、ヘルメット同士が何度もぶつかり、かつり、かつりと小さな金属音が跳ねる。呼吸がかすかに乱れるほどに口付けても、まだ足りない。今すぐにでも繋がってしまいたい……。
「落ち着け、スパイスを浴びて具合が悪いんだろう」
「ああそうだ。抑えられないんだっ」ディンは喉の奥に詰まっていた空気を鋭く吐き出した。「お前がほしい」
フライトスーツを握る手にさらに力を込めて、不安定な体勢のヴィズラをマットレスに引き倒す。
「おい、ジャリン、どうしたんだ。お前らしくもない」
「サイイン効果かもしれない」
「……なんだ、それは」
「わからない。賞金首がいっていた。とにかく、抱いてくれ。汗でも流せばスパイスも抜けるだろう」
「本当に、お前らしくないな」
ヴィズラは困惑しているのか、小さく唸った。
「……わかった。抱いてやる」
「……っ」
逸る気持ちのままに、ディンはヴィズラにのしかかった。鋼鉄の口付けを交わしながら、縺れ合う。視界が傾いて、ディンの背中がマットレスに沈み、影が被さった。ふっふと息を乱して、ディンは自身のフライトスーツの上下を繋ぐジッパーを開けて、生地をたくしあげた。上半身が首元まで剥き出しになった。
「直接、触れてほしい」腹に触れようとしたヴィズラの手を掴んで、ディンは切望を口にした。「お前の体温を感じたい」
たのむ、と結ぶと、ヴィズラは身体を起こして、手袋(グローブ)を外し――腰回りを一巡するジッパーを開けて、フライトスーツを脱いだ。鍛え上げられた分厚い胴体を前に、ディンは身震いした。
「これでいいか?」
太い首、隆起した胸筋、筋肉の詰まった腕、割れた腹、幅広の男の腰……はじめて見るヴィズラの肉体に触れたくなって、ディンは手を伸ばした。心臓の真上に手を添える。掌に感じた体温は、愛おしかった。
覆い被さったヴィズラの首のうしろに手を回して抱き寄せる。胸とヘルメットが密着する。ディンの腹の底で、手に負えない灼熱が渦を巻いている。
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2026年8月6日(木)
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催淫をよくわかってないふたり。無知であれ……
大勢の見張りもボディーガードも打ちのめされ、追い詰められた賞金首であるスパイスの密売人の悪足掻きは、脅しでもなく、発砲でもなく、ディンに大量のスパイスを浴びせることだった。獣はどんなに弱くても窮地に追いやられれば牙を剥くが、予想外の抵抗だった。立ち込める粉塵で霞む視界の中で、ディンは粉末を思い切り吸い込んでしまって噎せたが、いたって冷静に丸腰の密売人を捕縛し、自身のガンシップまで歩かせた。
飛び立つ前に、「サイイン効果があるスパイスをあれだけ浴びてなんともないのかよ。嘘だろ? マンドーはインポか?」と意味の解らないことを言われたが、ディンは相手にしなかった。そのあと密売人が逃げ出そうと暴れたので、他の賞金首同様、炭素(カーボン)冷凍(フリーズ)した。
仕事を終えて、『ネヴァロ』に着くまで、ディンはコックピットで一眠りした。時間が経つにつれ、スパイスを吸い込んだせいか、不調を感じていた。まるで思考することを脳が拒否しているように、意識がぼうっとする。身体も火照っている。これが、密売人のいっていたサイイン効果だろうか。だとしたら、一時的な症状であっても厄介だ。仕事は終わったので戦闘を行うことはないだろうが、動作が遅れたり、判断を誤る可能性もある。一瞬の隙が命取りになりかねない……。
気を揉んでいたが、無事に『ネヴァロ』に着いた。炭素(カーボン)冷凍(フリーズ)した賞金首たちをギルドに引き渡し、賞金稼ぎたちを束ねるグリーフ・カルガから報酬をもらい、ディンはそのままネヴァロ・シティの地下にある下水道に向かった。
ここには、ディンの同胞たちがひっそりと暮らしている。帝国軍によって汚染された故郷である衛星『コンコーディア』を脱してから、マンダロリアンたちは人目を避けることを強いられるようになった。帝国軍は、マンダロリアンたちを滅ぼそうとしているのだ。身を隠すようになっても、彼らは誇り高く生きている。
孤児だったディンは独り立ちをして共同体を去ったが、ディンにとって共同体のマンダロリアンたちは大切な仲間だった。賞金稼ぎとなって銀河を巡るようになってからは、孤児たちを養うために施しをしている。ひとりのマンダロリアンとして、その責任があるのだ。
鍛冶場(グレート・フォージ)にいるアーマラーに受け取ったばかりの賞金の一部を提供して、仲間の元で少し休むことにした。夜も遅い。体調も悪いし、久し振りに会いたい男もいる……。
歩く度に、ベルトの締め付けが気になった。それに、フライトスーツの生地が肌に触れる度に、やけにくすぐったく感じる。
――ベルトをキツく締めてはいないんだが。体調が悪いせいか?
ディンは顔を顰めて、燈の欠けた通路で立ち止まったが、すぐに歩き出した。目当ての男に会うべく、居住スペースに向かう。彼個人のスペースは、仲間の居住スペースから少しばかり離れた場所にある。狭い通路を進み、いくつも角を折れ、拓けた場所に出て、ようやくその姿を見付けた。
会いたかった男――パズ・ヴィズラは、椅子代わりのコンテナに腰掛けて、アーマーの手入れをしていた。胸当て(ブレストプレート)も、肩(ポール)甲(・ドロン)も、手甲(ガントレット)も、膝(ボウ レ)当て(イン)も、脛(グリ)当(ーブ)ても、ベルトさえも外している。フライトスーツとクロッチガードだけいう無防備な姿に、ディンは思わず声を掛けることを忘れた。
「戻ったのか」
ベスカー製のヘルメットにも使える特殊な黒い研磨布で胸当て(ブレストプレート)を拭きながら、ヴィズラが一刹那顔を上げた。ディンは彼の傍に寄り、テーブルを挟んだ向かいにあるコンテナに腰掛けた。
ヴィズラが傍にいるという安心感からか、肩の力が抜け、身体を蝕んでいる不調が血の流れにのって全身に広がった。視界がぐらりと揺れる。
「お前のベッドで少し休ませてくれないか」
「俺ももう寝るところなんだが」
「具合が悪いんだ」
ヴィズラが手を止めてディンを見た。
「なら、休め」
彼はそれだけいって、再びアーマーを磨き出した。
ディンは居住スペースの端に置かれたテント型のコフィン・ベッドに入り、フロントパネルを下ろした。それからマントを外した。それでも息苦しさに耐えられず、胸当て(ブレストプレート)を外し、フラックベストも脱いだ。
敷かれた薄いマットレスに横になって目を閉じるが、腰回りが重たいことに気付いて、ディンは歯を食い縛って顎を硬くさせた。こんな時にセックスがしたくなるなんて……。
起き上がって、ディンはフロントパネルを開けて顔だけ出して、黙々とアーマーを磨くヴィズラの背中を見詰めた。この間も、下腹部がじくじくと疼いている。
「パズ」
「どうした」
「こっちにきてくれ」
「今手が離せない。あとにしろ」
「だめだ、今すぐにきてくれ」
ヴィズラはのろのろと首を巡らせた。
「そんなに具合が悪いのか?」
ディンは黙った。彼は鼻息をついて傍らのテーブルに胸当て(ブレストプレート)と研磨布を置いて、「子供じゃあるまいし」とごちて立ち上がって、コフィン・ベッドの方へ歩み寄ってきた。コフィン・ベッドの中は、体格のいい男がふたりが入ってもまだ余裕があった。
「大丈夫か?」
「……っ、さっき仕事で、スパイスをヘルメットに吹きかけられた」
衝動のままに、ディンはヴィズラの首元を引っ掴んで引き寄せて、鋼鉄の口付けをした。しゃがみこんでいたヴィズラは、体勢を崩して片手を突いた。
「……パズッ……」
距離が詰まって、ヘルメット同士が何度もぶつかり、かつり、かつりと小さな金属音が跳ねる。呼吸がかすかに乱れるほどに口付けても、まだ足りない。今すぐにでも繋がってしまいたい……。
「落ち着け、スパイスを浴びて具合が悪いんだろう」
「ああそうだ。抑えられないんだっ」ディンは喉の奥に詰まっていた空気を鋭く吐き出した。「お前がほしい」
フライトスーツを握る手にさらに力を込めて、不安定な体勢のヴィズラをマットレスに引き倒す。
「おい、ジャリン、どうしたんだ。お前らしくもない」
「サイイン効果かもしれない」
「……なんだ、それは」
「わからない。賞金首がいっていた。とにかく、抱いてくれ。汗でも流せばスパイスも抜けるだろう」
「本当に、お前らしくないな」
ヴィズラは困惑しているのか、小さく唸った。
「……わかった。抱いてやる」
「……っ」
逸る気持ちのままに、ディンはヴィズラにのしかかった。鋼鉄の口付けを交わしながら、縺れ合う。視界が傾いて、ディンの背中がマットレスに沈み、影が被さった。ふっふと息を乱して、ディンは自身のフライトスーツの上下を繋ぐジッパーを開けて、生地をたくしあげた。上半身が首元まで剥き出しになった。
「直接、触れてほしい」腹に触れようとしたヴィズラの手を掴んで、ディンは切望を口にした。「お前の体温を感じたい」
たのむ、と結ぶと、ヴィズラは身体を起こして、手袋(グローブ)を外し――腰回りを一巡するジッパーを開けて、フライトスーツを脱いだ。鍛え上げられた分厚い胴体を前に、ディンは身震いした。
「これでいいか?」
太い首、隆起した胸筋、筋肉の詰まった腕、割れた腹、幅広の男の腰……はじめて見るヴィズラの肉体に触れたくなって、ディンは手を伸ばした。心臓の真上に手を添える。掌に感じた体温は、愛おしかった。
覆い被さったヴィズラの首のうしろに手を回して抱き寄せる。胸とヘルメットが密着する。ディンの腹の底で、手に負えない灼熱が渦を巻いている。
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