「随分と挑発的な目をしている。まだ自分の立場がわかっていないようだな」
白い歯を見せて、ジョン・シードは笑った。
彼が笑うと、彼に刻まれた忌々しい傷が疼きだす。胸元に黒いインクで彫られた言葉は、皮肉なことに今胸の内側で燃え盛っている。
「ああ、その目。怒りに満ちている」
椅子に縛られて拘束されていなかったら、今すぐにでも目の前の澄ました面を殴ってやるのに。
ジョンの端正な顔を睨んでいると、引き結んだ唇に冷たく硬いものが押し当てられた。ジョンのリボルバーの銃口だった。銃口は唇の隙間に押し込まれ、舌に乗った。ジョンの親指が動いて、撃鉄がかちりと無機な音を立てた。
緊張が背中を転げ落ちていく。彼が引き金を引けば、頭が吹き飛ぶ。
「手が滑って撃ってしまいそうだ」
彼の囁きは熱を帯びていた。彼は俺を殺すことを渇望している。
「このまま撃ち抜いてしまいたいところだが、皮に傷がついたら価値が下がってしまう」
ジョンはひどく残念そうに首を振った。捩じ込まれていた凶器が去り、先端が天井を向く。ぶら下がった照明器具の鈍いオレンジ色の光を吸って、銃口はぬらぬらと照っている。
「お前の皮を剥いで、残った肉の塊に撃ち込むとしよう。まずはその目から潰してやる」
ジョンは眦を細めて微笑んだが、暗い眸の奥には狂気が翳っていた。