※ぐだ子敗北IF。第2部7章19節でU-オルガマリーが来なかった軸。
ぐだ子以外死亡。テスカトリポカの戦利品にされる話。
甘言と快楽で堕ちるぐだ子。
強姦描写含みます、自己責任で閲覧してください。
戦闘による振動で、岩石の破片が天井から落ちてきて、テスカトリポカの足元に転がった。
振動が治まる頃には、辺りは静まり返っていた。洞窟内に充満していたテスカトリポカの濃い煙が徐々に薄れていって、代わりに血のにおいが辺りに漂いはじめる。鎧からスーツ姿に戻ったテスカトリポカの視線は、血だまりの中に横たわるカルデアの者たちを捉えた。
呆気なかった。しかし、勇敢に戦ったことは称賛に値する。特に、カルデアのマスターは。
「うっ……」
小さな唸り声が血腥い静寂を破った。見れば、カルデアの連中はまだ生きていた。しかし、ほぼ虫の息だった。テスカトリポカはサングラスの下で目を細めた。カルデアのマスターが起き上がろうとしていたが、そこまでの力は残っていないようだった。
「さすがにしぶといな」
テスカトリポカは彼女たちに近付いた。庇うように被さったまま気を失っている盾を持ったサーヴァントの身体の下から、カルデアのマスターはテスカトリポカを睨め付けた。
「いい目だ。そそるぜ」
テスカトリポカがほくそ笑むと、闘志に満ちた琥珀色の眸はゆっくりと瞼に閉ざされた。心臓は動いているから、意識を失くしただけのようだ。彼女の心臓をORTにやるのが急に惜しくなった。さてどうしたものかと一考していると、向かいから足音がした。
「グッドタイミングだ、デイビット」
「生き残った者はいるのか」
「ああ。一応まだ全員生きている」
「そうか。よく生き残ったな」
テスカトリポカはデイビットと血溜まりを挟むようにして向かい合った。
「イスカリは使えなかったが、コイツらの心臓でORTを目覚めさせる。カルデアの女も捧げてもいいが、生きているなら利用価値もあるだろう」テスカトリポカはジーンズのポケットに片手を突っ込んで続けた。「この女の運命はオマエに委ねるとしよう。どうする?」
デイビットは無機な視線を人類最後のマスターに注いで「ORTが起動するのなら、それ以外のことは望まない」興味がないとでもいうように彼女から顔を逸らした。
「なら、カルデアの女はオレがもらおう。戦利品だ」
「彼女はものじゃない」
「ヒトが棍棒で戦っていた時代から女は戦利品だ。男たちが敗れれば最初に蹂躙される。オマエにはわからないと思うが、金や宝石よりも価値がある女もいる」
「彼女にはその価値があると?」
「六つの世界を消してきた女だ。十分な価値がある。心臓は甘すぎてオレの口には合わんが……楽しませてもらおう」
テスカトリポカは死に体の女を引き摺り出して担いだ。身体は軽かった。力なく垂れ下がった四肢が揺れ、指の先から血が滴り落ちた。
「そろそろ起きろよ、お嬢さん」
眠りの泥の中に沈んでいた立香の意識を引き上げたのは、テスカトリポカの声だった。目覚めた立香の目の前には、古びたランプがあった。今にも消えそうな燈を見据えていると、記憶の濁流が頭の中に流れ込んできた。宇宙樹……テスカトリポカ、ORT……煙……
「っ、ぐ……」
全身が酷く痛む。ベッドに横たわっていることに気が付くのに長い時間を要した。なんとか片手を突いて起き上がると、傍らに、半裸のテスカトリポカが腰掛けて足を組んでいた。
「よう、最悪の目覚めってヤツだな」
「みんなはどこ……!?」
立香は弾かれたように辺りに視線をやった。洞窟ではなく、薄汚れた小さな部屋だった。
「オマエの仲間は全滅だ。ORTもじきに起動する。残念だったな」
「そんな……」
立香は指の先から血の気が引くのを感じた。目の前がぐらぐらと揺れて、息がうまくできなくなる。
「オマエはオレの戦利品になった」テスカトリポカは憎たらしいほどに涼し気な顔で言った。「その意味がわかるよな?」
ベッドに乗り上げたテスカトリポカの影が立香に肉薄する。
「なにを……やだっ、触らないでっ」
「悪いな。加減をするつもりはない」
抵抗する立香の服を剥ぎ、テスカトリポカは彼女を蹂躙した。処女膜を破り、腹の最奥に子種を植えた。最初から最後まで、立香は歯を食い縛って恥辱に耐えていた。
凌辱のあと、立香はテスカトリポカに背を向けたまま「勝ちたかった」呟いた。テスカトリポカは首を巡らせて彼女を見た。聞き間違いかと思ったが、立香はもう一度「勝ちたかった」言った。
「わたしはまだ戦える……」
ナイトテーブルに置いたランプの燈が明滅して、壁に貼り付いたふたつの影が傾いた。
「負けるわけにはいかないのに」
激情の去った部屋に、立香の抑揚のない声がこもる。
「もっと足掻くべきだった。足掻いて……戦って……そうすれば、みんなは……」
震える声はそこで途絶えた。肉の薄い肩が震えている。羊水に浸かる胎児のように、立香は足を折り曲げて丸まった。白い背中で連なる美しい背骨を見据えて、テスカトリポカは笑みを抑えきれなかった。
甘い心臓を持つ、戦う覚悟のない、戦士に値しない女――そう思っていたはずなのに、この女がどうしてもほしくなってしまった。
敗れて仲間を失い、犯されてなお、この女は戦う意志を持っている……殺す気は失せていた。
胸の内側で暴れる渇望の手綱を強く引き、テスカトリポカはブーツの紐を結んで部屋を出た。
その次の夜から、夜な夜な、テスカトリポカは立香を抱いた。一方的な欲望を満たすだけの荒々しい行為ではなく、ただひとりの女を愛する男のように。
「それやだ、やめ、て」
閉じないように押さえ付けられた太腿の間に顔を埋めるテスカトリポカの頭を押しやり、立香は吐息混じりにか細い声を上げた。秘部を舐められて、力が入らなかった。抵抗は無駄だった。厭なはずなのに、身体は与えられる快楽を覚えはじめていた。
溢れた愛液を音を立てて啜り、テスカトリポカはくねらせた舌を潤んだ秘裂に挿し込んだ。浅い部分を往復する舌は、生き物のようだった。
「あ、っ、あぅ……、~~~~~っ」
喉を反らして、最早呼吸をするのと同じように拒絶の言葉を吐き出し、立香は歯を食い縛った。腹の底から脳天に掛けて、形を成さないなにかがせり上がって、頭の内側で弾けた。緩やかに[[rb:極致感>オルガスムス]]を迎えた肉体は小刻みに痙攣した。
「なあ、立香」
テスカトリポカは濡れている口の端を舌先で拭い、身体を起こした。
「気安く呼ばないで」
立香は潤んだ目で冷ややかに彼を見たが、喉の奥で笑われただけだった。
「オマエはいい女だよ」
「……っ、あっ」
胎の内側に肉の杭を押し込まれた。胎内を埋める圧迫感に顔を顰め、立香は枕の端を握った。抜き差しがはじまって、粗末なベッドが軋む。
「仲間を殺されて復讐に燃えるかと思ったが、オマエは独りになっても戦おうとしたな。しかし、生身の脆い人間になにができる? 勇敢と蛮勇が違うことくらい、わかっているだろう?」
「あ、ぅあ……ひうっ」
「星は壊れた。汎人類史の歴史も途絶えた。オマエの旅はもう終わったんだ」
立香の目に涙が溜まっていくのをテスカトリポカは見た。嬌声が嗚咽に変わる。デイビットよりも年下のくせに、やけに成熟した女は、年相応の顔をはじめて見せた。
「オマエを責める者は誰もいない。オマエは諦めずによく戦った。誰もその名を覚えていなくても、オレだけは忘れたりしない」
心を殺し、苛烈な道を歩んできた女。多くの犠牲の上に立つ女——魅惑的で仕方なかった。なんとしても堕としてやりたかった。
「だから、この身体も、崩れそうな心も、オレに捧げろ。オマエの過去も未来も、オレがすべて受け容れてやる」
胎の奥を突き上げるように腰を打ち付け、動きを止めた。長い睫毛に囲われた眸から涙が零れ、枕に向けて流れていった。
テスカトリポカは彼女の耳元に唇を寄せた。
「オレだけが、オマエを救える」
立香が息を呑むのを、テスカトリポカは見逃さなかった。
「テスカ……トリポカ……」
震える指がおそるおそるというように伸びてきて、テスカトリポカの頬に触れた。テスカトリポカは微笑んで、彼女の手の甲に自身の掌を被せた。彼女はさめざめと泣いていた。
「立香」
小さく名前を呼んで、引き結ばれた唇を塞ぐ。拒絶はされなかった。薄く開かれた隙間に舌を差し込む。熱く湿った吐息と舌が絡まって、求め合った。
人類最後のマスターだったひとりの女は、神の手の中に堕ちた。
仄燈に照らされた部屋の中は、色濃い官能の幕が降りていた。
テスカトリポカはベッドの端に腰掛けて、足の間で蹲る立香を見下ろしていた。彼女は健気に一物にむしゃぶりついていた。頬を窄め、前後に頭を動かして奉仕する彼女は、従順な雌だった。
「射精すぞ」
「ん、ぅ」
立香は喉の奥まで昂ぶりを咥え込むと、いっそう強く吸い付いた。喉の奥に向けて噴き出る精液を飲み干して、彼女はゆっくりと頭を擡げる。眸は色欲にとろけていた。
「ご褒美……ください……」
「いいだろう」
立香の細い顎に手を添えて喉の下を撫で、テスカトリポカは口の端を緩めた。
立香はベッドに上がり、そうするのが当たり前とでもいうように、肘と膝を突いて四つん這いになって尻を持ち上げた。金色の首輪と、胸元が空いた黒い貫頭衣だけを身に着けた彼女の股座は剥き出しだ。秘部はすでにぬらぬらと濡れていた。
テスカトリポカはジーンズの前をくつろげ、括れた細い腰を抱きかかえ、屹立した男の本能で胎内を割った。
「あうっ、んん……」立香は甘い声を上げた。「あっ、奥、当たって、きもちい……」
「好きだろ、ここ」
「うん……好き、おちんちんの硬いところが当たって……あ、あっ、あぁ……!」
スムーズな抽迭に、ベッドの足が耳障りな音を立て、濡れた肉同士がぶつかる粘っこい破裂音に重なった。
「オレたちは身体の相性もいいらしい」
降りてきた子宮口を轢き潰し、テスカトリポカは吐息を弾ませる。
「オマエもすっかり夜が似合う女になったな」
肉の詰まった膣内を往復しながら、テスカトリポカは立香の丸い尻を軽く叩いた。肉付きのいい尻だ。きっと丈夫な子を産むだろう。子を孕めば、の話だが。
最初で最後の男の形に慣らされた胎内は、テスカトリポカを締め上げて離そうとしない。ずるりと腰を引いて、雁首の辺りで止める。濃い愛液に濡れそぼつ薄桃色の粘膜の浅い部分を削り取るように腰を前後させ、一息に最奥まで貫くと、立香は呆気なく絶頂した。痙攣してうねって締まる膣内に留まったまま、テスカトリポカは微苦笑する。男を知らない立香の花を散らし、夜毎じっくりとエクスタシーを教え込んだのは彼自身だったが、よくここまで育ったものだと思った。
「お願い、お腹の奥に射精してっ、テスカトリポカの精子っ、ほしいのっ……!」
「そう焦るなよ。夜は長いんだ。楽しもう」
淫らなおねだりに応えるために、テスカトリポカは雌孔に成り下がったそこへ再びピストンを叩き込んだ。
滅んだ星の片隅で、男と女は今宵も快楽を貪り合う。立香の行き場を失くした闘志は絶望と諦念に踏みにじられて、夜の帳の内側で息絶え、緋色の骸を晒している。
タイトル元:garnet